牛を見分ける大会で過去最高得点を叩き出して県1位になった話

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今週のお題「表彰状」。なんとタイムリーなお題なんでしょう。ちょうどこれについて書こうと思っていたのでちょうどいいですね。

 

農業クラブに強制加入させれる

これは私が高校生の時の話。

 

私が通っていた高校は、農業科がある割りと珍しい学校でした。

農業の授業はその科を専攻していなくても取ることができたので、私は”楽だから”という理由で農業の授業を取っていました。

 

農業の授業は本当に楽でした。座学で多少専門的なことを勉強するものの、私は本格的に取っているわけではなかったので触り程度。基本的には外に出てじゃがいもを収穫したりしていました。

放課後に蒸したじゃがいもにマヨネーズかけて食べたりもしたましたが、これがマジでうまい。シンプルイズベストとはまさにこのことですね。

 

そんな農業の授業にも欠点がありました。

農業の授業を取っている生徒は、強制的に【農業クラブ】なるものに加入させられるのです。主な活動は放課後に先生の手伝いをしたり、農業に関するイベントや大会に強制的に出場させられるというもの。

放課後は速攻帰って友達の家でマキバオーとるろ剣を読むのが日課だった私にとって、月一程度とはいえ非常に面倒くさいものでした。

 

牛を見る大会に強制的に出場させられる

だらけきった高校生活を送っていたある日、農業クラブの顧問の先生に呼び出されました。

 

「近々牛を見る大会があるんだけど、お前に出てもらうから、これ決定事項な」

 

「えー、嫌なんですけど」

 

「その日授業受けなくていいからいいだろ?」

 

「オッケー」

 

勉強の「べ」の字もないくらいの高校生活を送っていた私にとって、退屈な授業を受けずに牛を見てくるだけでいいなら、そっちを選ばない理由はありませんでした。

 

一応やるからにはということで、大会の1週間くらい前に、顧問の先生に無理やり専門施設に連れて行かれ『いい牛の見分け方』について教わることになりました。

大会は【肉牛の部】と【乳牛の部】に分かれていて、私が出るのはミルクを出す牛を見分ける【乳牛の部】だったので、良い乳牛の見分け方を教わりました。

教わった内容は

「たくさんミルクを出す潜在能力があるのは肋骨がなるべく斜めになっている牛だよ」

「ちくびの並びがキレイだといいよ」

「筋肉が伸びていて垂れ乳になっているのはダメだよ」

「仔牛は見極めるのがめちゃくちゃムズいからあきらめろ」

とかそんな感じ。特別難しい内容ではなかったので、サクッと終了。

「これしか教わらないんだったら絶対勝てないじゃん」と思いつつ、定期的に牛さんたちから排出されるウンチやオシッコの臭いにやられ、サッサと帰らせてくれって感じでした。

 

帰りの車の中で、私の他に農業クラブの友達2人が【肉牛の部門】に出場することについて聞いてみました。

「なんで乳牛はオレ1人で肉牛は2人なんですか?」

 

「乳牛は捨ててるから」

 

フザケンナヨ

 

牛を見る大会でまさかの優勝

そして大会当日。

 

さっそく乳牛と肉牛の部に別れ、大会が始まりました。

ルールは厩舎にいる約10頭の乳牛の中で、それぞれの部位の上位2頭、下位2頭。総合的に見た上位2頭、下位2頭。別の厩舎にいる仔牛の上位2頭、下位2頭を見極めて、時間内に用紙に記入するというものでした。

 

正直まともに乳牛を見たのは1週間前を含めて2回目。一応教わった基準で記入はしたものの、全く自信はありませんでした。

記入が終わって周りを見渡すと、私を含めみなさん時間が余っていたようで、各々が厩舎の中を見て回ったりしていました。

 

印象的だったのは、強豪校と言われていた高校の生徒が、嬉しそうに牛の頭をナデナデいたこと。

「牛のこと好きなんだなー」と思わされると同時に「この子が優勝するんだろうな―」と思っていました。

 

終了時間になり、肉牛の部門に参加していた友達と合流し「全然わからんかった!」なんて話しながら控室に戻り、結果発表を待っていました。

 

「自信ある?」

 

「いや全く。◯◯高校は学校で牛飼ってるんでしょ?そんなのに一週間前にちょっと教わったぐらいのやつが勝てるわけないじゃん!」

 

「たしかになー。牛撫でたりしてたし、そもそも農業への愛が違うよ」

 

なんて話しながら待っていると、顧問の先生がニヤニヤしながら足早に近づいてきて私に言いました。

 

「おい!お前が乳牛の部で優勝だぞ!しかも過去最高得点だ!」

 

「え?…マジ?」

 

「マジ!ちなみに肉牛の部は全然ダメだったぞ!」

 

そんなわけで私は【牛の良し悪しを見分ける大会の乳牛の部】で過去最高得点を出し優勝してしまったのでした。

 

ちなみに牛をナデナデしていた子は準優勝でした。

 

あまり嬉しくない県1位の称号

後日、私は全校生徒の前で表彰され、学校の玄関にも卒業するまでデカデカと『乳牛の部優勝3年3組◯◯』というよくわからない紙が貼られました。

 

スポーツの大会で結果を残し表彰されるのであれば、誰に見られても恥ずかしくない名誉なことかもしれません。しかし、牛を見る大会で県1番になっても全然嬉しくありません。むしろ、しばらくの間友達に「牛の人」とイジられ最悪でした。

 

これは顧問の先生に聞いたのですが、農業関係の学校関係者に「◯◯くんは進路どうするんだ?」といろいろ聞かれ、「農業の学科がある大学には推薦で入れるよ」とまで言われていたのだとか。

中々適当な先生だったので本当かどうかわかりませんが、私の農業への興味はゼロだったので、嬉しいのか嬉しくないのか今考えてもよくわかりません。

 

県で1番になるのは我ながらすごいと思います。特にこんなマイナーな大会で優勝した経験のある人って中々いないんじゃないでしょうか?

しかし、全く興味がないジャンルで優勝しても、別に嬉しくないし、ジャンルがジャンルだけに思春期の男の子には苦い思い出となってしまいました。

 そして、もしこれが才能だと言うならば「なんで『牛を見分ける才能』なんだよ!」と悲しくなってしまいます。

 

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